

就活を進めていくと、面接やエントリーシートで「挫折した経験はありますか?」と質問されることがあります。
「挫折経験」と聞かれると、多くの就活生は以下のような迷いが生じるのではないでしょうか。
- どのくらいの失敗を「挫折」と呼べばいいのだろう
- このくらいのことで「挫折」と言ったら変に思われないだろうか
- 失敗した経験を話してマイナスの印象を持たれないだろうか
どの程度の出来事なら「挫折」と呼べるのか、マイナスの印象を与えないようにするにはどうすればよいか、エピソード選びにも苦労するようです。
採用担当者が「挫折経験」を聞くのは、明確な意図に基づいています。
その意図を理解すれば、就活で話すべき「あなた独自の挫折経験」が作れるはずです。
この記事では就活で使える挫折経験の書き方、中でもエピソード選びや、伝わりやすいまとめ方を解説します。
なぜ企業は就活で挫折経験を聞くのか?
企業が就活生に挫折経験を聞くのは、以下の4点を把握・判断しようとする意図があります。
- 挑戦意欲
- 困難への対応力
- 失敗から学ぶ力
- ストレス耐性
つまり企業が知りたいのは、挫折経験の内容そのものよりも、挫折による困難を乗り越えたプロセスです。
その点を理解すれば、挫折経験の質問への対策も見えてきそうですね。
Q&Aには、このような質問が寄せられています。
【質問】
志望業界:IT
志望職種:エンジニア
どんな観点でどんなサポートをしてほしいか:面接がうまく行かないです。
詳しい相談内容:具体的に今何をしているのか、挫折経験は、何があるのか、などの質問にうまく答えられません。
あとは、型にハマっていない面接が来た場合うまく行きません。
挫折経験への質問に上手く対応できないと悩んでいるようですね。
この悩みに対し就活のプロであるサポーターから、以下のように回答されています。
【回答】
挫折経験の質問で面接官は「うちの仕事で壁にぶつかった時にどのように乗り越えて成果を出してくれる人なのだろうか?」を知りたいと思っています。
そのため、この質問では「今まで試行錯誤して乗り越えた中で一番大きな成功を教えてください」と質問されていると思って回答を考えていくと良いです。
仕事をしていると、物事が自分の思い通りにならないことは多いです。
その度に行動が止まるようであれば、一向に仕事が進まなくなってしまいます。しかしそこで、自ら乗り越えるための行動をとれば、状況が良くなることもあるでしょう。
こうした理由から、就活生に挫折経験を聞くことで、困難に直面した時にどのような思考で、どのように乗り越えたのかを知りたいと考えているのです。
ここが理解できると挫折経験は、問題解決のプロセスや、その過程でどのように成長できたのかを中心にまとめていけば良いという方針が固まるでしょう。
就活で使う挫折経験はエピソード選びが重要
多くの就活生が「どのエピソードを挫折経験として選べば良いか分からない」と、悩んでいるのではないでしょうか。
以下のポイントが盛り込めるエピソードが望ましいといえます。
- 過去に真剣に熱中して取り組んだこと
- 取り組みの過程で困難が生じたことがある
- 困難を乗り越えて一定の成果を上げたもの
- できるだけ達成のハードルが高いもの
この4点を意識しながら、Q&Aに寄せられた挫折経験の添削依頼を見てみましょう。
【例文】
大学の英語のグループ課題で、私はチームを優勝に導けなかったことが挫折経験です。
課題は、約30頁の教育に関する英語で書かれた論文についてチーム5人で一か月後に内容を解説するというものでした。
しかし、チームの5人中3人が基礎的な英単語や文法が分からない状態にもかかわらず、英語が得意なメンバーと同じ分量の課題を割り当ててしまいました。
その結果、英語に苦手意識を持つメンバーは、期日までに課題を完了することができず、チーム全体として発表することができませんでした。
当時の私は、メンバーの予定を最優先に考えており、チャットコミュニケーションでも十分に進捗管理ができると思い込んでいました。
また、メンバーを信頼していたため、わざわざ集まる必要はないと考えていました。
しかし、実際には、チャットだけでは細かなニュアンスが伝わらず、認識の齟齬が生じてしまいました。(深堀→チームメンバーは「大丈夫」と言っていたのですが、受け取りの解釈が異なっていた)
この失敗から、私はチーム目標達成のためには、メンバーの能力に応じた最適な役割分担を行うこと、そして対面での密なコミュニケーションを通じて認識を共有することの重要性を痛感しました。
次のグループ課題では、以下の2点を実行しました。
一つ目は、事前に各メンバーの得意分野と課題にかけられる時間をヒアリングし、調整をしました。
具体的には、英語が得意なメンバーには読解と日本語での意味の解説を依頼し、英語に苦手意識を持つメンバーには、その解説をもとに資料作成を依頼しました。
二つ目は 定期的な対面コミュニケーションの実施です。週に2回、1時間程度集まり、一緒に課題を行いました。
読解と資料作成に役割を分担したことで、相互にサポートし合える環境をつくり、不明点や課題について全員で共有しながら解決することができました。
これらの改善により、メンバー間の協力体制が強化され、課題を期日までに完了することができました。結果として、チームは優勝を果たせなかったものの2位になることができました。
この経験から、相手を思いやる気持ちと、目標達成のために必要な行動を両立させることの難しさを学びました。
今後は、相手の状況を考慮しつつ、必要なコミュニケーションを積極的に行い、チームで目標を達成できるように努めていきたいと思っております。
大学の英語の授業で、グループ課題が上手くいかなかったことをテーマに書かれています。
上手くいかなかった原因は、進捗の管理とコミュニケーションに不足があったとして、そこを改善したプロセスと一定の成果を上げたことまで、綺麗にまとまっているようです。
しかし、前述した4つのポイントから見てみると、以下の2点を加えると、より熱意が伝わりやすくなります。
- 過去に真剣に熱中して取り組んだこと
- できるだけ達成のハードルが高いもの
英語のグループ課題で優勝することが、どのくらい達成のハードルが高いのか、それほど真剣に熱中できるものなのか、疑問を抱く採用担当者がいるかもしれません。
単なる失敗談やちょっとした困難を広げると、人柄を伝えにくくなってしまいます。
過去に自分の人生を左右したような取り組みで、かつ達成が難しく、多くの困難を乗り越えて成果を出した経験はないか探してみましょう。
また、面接で話すことを想定した際のまとめ方についても、以下のQ&Aで紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。
就活で採用担当者に刺さる挫折経験エピソードの選び方
挫折経験はエピソード選びが重要です。
以下、エピソードを選ぶ時は、以下4つの視点を意識しましょう。
- 困難を乗り越えた経験から選ぶ
- 長期間取り組んだことから選ぶ
- アルバイトの失敗経験から選ぶ
- できるだけ新しいエピソードを選ぶ
それぞれ、詳しく解説します。
困難を乗り越えた経験から選ぶ
挫折経験を選ぶ時は、これまでの経験を振り返り「自分はどのような困難に直面したか」を洗い出してみてください。
そして、その困難を乗り越えたエピソードの中から、一番の成功事例を選ぶとよいでしょう。
挫折経験だからといって、困難のエピソードが単なる苦労話になることは避けてください。
努力して乗り越え成果につながったこと、もし明確な成果がなくても、そこから得た学びでどのように自身にプラスの変化があったかを盛り込むようにしましょう。
実際に寄せられた例文をもとに、詳しく解説します。
【例文】
私の挫折経験は、短大在学中に交通事故に遭い、思うように動けない期間が続いたことだ。身体的な制約に加え、精神的な負担も大きく、不安な日々が続いた。
しかし、学んでいた心理学の知識を活かし、今できることに目を向け、小さな目標を立てながら前向きに行動することを意識した。
その結果、徐々に回復し、学業にも積極的に取り組めるようになった。
また、より深く心理学を学びたいという思いから大学編入時に心理マネジメントコースを選択し、実践の場としてTikTokで悩み相談のライブ配信を開始。
当初は視聴者とのコミュニケーションが難しかったが、意見をもとに改善を重ねた結果、共感を得られる場へと成長させることができた。
この経験から、状況の変化に柔軟に対応し、試行錯誤を重ねて成果を出す力を培った。今後もこの力を活かし、課題解決に向けて前向きに取り組んでいきたい。
交通事故に遭うという大変な苦労を経験されています。
その中で、心理学を学んでいたことで気持ちを整えることができ、学業に積極的に取り組んでいった姿勢が印象的です。
その結果、大学編入に至り、新たな行動を起こしたプロセスが書かれています。
さらに改善するならば「今できることに目を向け、小さな目標を立てながら前向きに行動する」の部分をもう少し詳細に話すとよいかもしれません。
そうすると、困難を乗り越えるプロセスで、どのような努力をして成長したのかが伝わりやすくなります。
長期間取り組んだことから選ぶ
エピソードを選ぶ際には、過去に長い時間をかけて取り組んだことはないか、探してみてください。
長期間取り組めたということは、これまでの人生において大切にしてきたことや、熱中してきたことであるはずです。
長く続けてきたことであれば、その過程で何度も困難に直面したり、一定の成果も上げているはずです。
例えば、長く続けてきたスポーツや習い事など、上手くいかない時期を乗り越えて、そのたびに上達してきて今があるのではないでしょうか。
こちらのQ&Aでは、困難を乗り越えた経験の書き方について質問が寄せられています。
【例文】
志望業界:IT
志望職種:SE
どんな観点でどんなサポートをしてほしいか:書き方が分からないです
詳しい相談内容:困難を乗り越えた経験を問われているが、どのようなことを書けばいいのか分かりません。
以下は途中まで考えた文章です
私は大学の文化祭で、研究室として出店する模擬店を成功させることに努めました。模擬店を出店した理由は、模擬店の利益を活用して研究室内で必要な資金を賄うことを目標としたためです。しかし、この研究室では過去に模擬店の経験がほとんどなく、資料も残されていなかったことが課題となり、…
学園祭での模擬店の出店をテーマに書こうとしています。
ただ、学園祭での取り組みであれば、長くても数ヶ月単位の活動となるでしょう。具体的な成果があったとしても、数万円の利益ということになりそうです。
この質問に回答した就活のプロであるサポーターも、エピソードの切り替えをすすめています。
もちろん、短期間の取り組みが全て悪いわけではありません。
この例であれば、模擬店での利益が想像以上だったり、他の人には思いつかないような工夫ができた場合など、注目できるポイントがあれば、話を膨らませられるでしょう。
アルバイトの失敗経験から選ぶ
挫折経験のエピソード選びで困った時は、アルバイトの経験から探してみるのも、良い方法です。
未経験の仕事をする中で、失敗したことや上手くいかなかったことがあるはずです。
しかし、そのたびに自分で工夫をしたり、先輩に教えてもらうなどして、仕事を覚えてきたのではないでしょうか。
就活のプロからのアドバイスで、アルバイトの挫折経験に切り替えたQ&Aがあるので見てみましょう。
【例文】
私の挫折経験の一つは、コンビニバイトを始めた頃にタバコの銘柄に関するクレームを受けたことです。普段タバコを吸わないため、銘柄の名前や番号がわからず、最初のうちはお客様に番号で尋ねていました。ある日、目の悪いおじいちゃんのお客様に番号でお伝えしたところ、「番号ではなく銘柄で言ってほしい」とクレームを受けました。この時、私はタバコの銘柄に対する理解不足を痛感し、非常に悔しい思いをしました。その後、私は銘柄を覚えるために時間をかけ、タバココーナーの補充時に銘柄名や配置をチェックしながら覚えました。また常連のお客様には積極的に銘柄を覚え、お客様から要望される前に「こちらでよろしいでしょうか?」と先取りしてサービスを提供しました。その結果、銘柄を指定された際には迅速に対応できるようになり、視力の悪いおじいちゃん相手からのクレームもなくなりました。まこの経験を通じて、細かい部分に対する注意力や、お客様との信頼関係の大切さを学びました。
私の挫折経験の一つは、弁当やデザートを販売する際に箸やスプーンをつけ忘れたことです。最初は慣れないうちに、お客様に箸やスプーンをつけ忘れることがあり、その度に不安を与えてしまいました。特にお弁当を購入したお客様からは「箸がない」とクレームをいただいたこともありました。その経験から、私は弁当やデザートを販売する際に必ず事前に箸やスプーンをつけることを習慣化しました。この習慣を続けることで、クレームは完全になくなり、お客様に安心してサービスを提供できました。これを通じて、日常業務の中での確認や準備の重要性を学びました。
私の挫折経験は、買い物した量に適切な袋の大きさがわからず、袋詰めがうまくできなかったことです。初めのうちは、袋が小さすぎて商品が入らなかったり、大きすぎて空間が余ってしまうことがあり、そうしたミスでお客様に不便をかけてしまい、私自身もふがいなく感じました。これに気づいた私は、商品の量に適した袋を選ぶ感覚を養うために、意識して袋詰めを繰り返しました。具体的には弁当があったり大きなペットボトツの飲み物を購入されているお客様には大きい袋を用意したり、買い物かごが隙間なく埋めるくらい商品数が多いお客様に対しては「袋を3円になりますが、お分けいたしましょうか?」確認を取ったりし、不備をなくしていきました.。その結果、必要な袋の大きさを正確に判断できるようになり、お客様に快適な買い物体験を提供できるようになりました。この経験から、予測力や事前準備の大切さを学びました。
コンビニのアルバイト経験で失敗したり、上手くいかなかったりしたエピソードをいくつか挙げています。
ここでのポイントは「ピックアップしている業務・取り組みが限定的過ぎていないか」ということです。
一つひとつの業務にスポットを当てると、エピソードが細かすぎるため、挫折経験とまで言えるのかという疑問が生じます。
サポーターからはこのように提案しています。
【回答】
-
例えば「アルバイトを始めた当初は幅広い業務に対応しきれず、これやこれやこれなどでミスを起こしてしまっていて、自分には向いていないんじゃないかと悩んだ時期もありました」などの導入にして、それぞれの解決策を伝えていくイメージです。
アルバイト全体を通してのエピソードとしてまとめることで、採用担当者もイメージしやすく、会社で働くことにも置き換えて考えることができるのではないでしょうか。
実際に正社員として就職したら、必ず「この仕事は自分に向いていないのでは」と悩む時期が訪れます。
その時に、アルバイトとはいえ困難を乗り越え仕事を覚えていった経験があることは、きっと強みになるはずです。
採用担当者にとっても、仕事にまつわる挫折経験は具体的なイメージが湧きやすいため、エピソード選びに困ったら、アルバイト経験から探すことをおすすめします。
以下のQ&Aでは、アルバイト経験をガクチカや自己PRに記載する際のポイントも解説されていますので、ぜひ合わせてお読みください。
できるだけ新しいエピソードを選ぶ
挫折経験のエピソードは、鮮度も重要です。
できるだけ新しいもの、可能な限り大学生活で生じた、困難を乗り越えた経験から選びましょう。
こちらのQ&Aでは、高校時代の部活動をテーマに設定した挫折経験の添削依頼があるので見てみましょう。
【相談内容】
詳しい相談内容:
大学時代は挫折を経験しなかったので高校時代の挫折経験を選んだのですが、エピソードに関して分かりにくい点はないか、そもそも挫折経験としてふさわしい内容であるかのフィードバックをお願いしたいです。
私の挫折経験は高校のサッカー部で自分の成長が感じられない期間が1ヶ月ほど続いた経験です。
私は練習が終わった後や部活がない日でも筋トレをしたりプロの試合をテレビで見て上手い選手のプレーを研究したりして、自分を成長させるための努力をしていたのですが、その割にはなかなか成長している実感がえられませんでした。
自分がイメージしているプレーができなかったり相手選手に体で当たり負けしたりして徐々に自信を無くしていき、試合の先発メンバーから外されることも増えました。
努力の成果が現れずモチベーションが低下し、つらい時期が一か月ほど続いたのですが今まで続けてきたサッカーを簡単には辞めたくないと思い、結果が出るまでもう少し継続して努力をしようと決心しました。
これまでは自分一人で自主練習に取り組んでいましたがそれでは試合に近い実践的な練習ができなかったり客観的なフィードバックが得られなかったりして成果に繋がりにくいと考えたので先輩や同期の力を借りながら努力を継続しました。
同期に一対一の練習相手になってもらいアドバイスをもらったり、体が強い先輩がどんなトレーニングをしているのか練習終わりに直接教えてもらったりするようにしました。
その結果、自主練した成果が少しづつ練習の中で感じられるようになり自信を取り戻していったことで再び試合の先発メンバーとして起用されるようになりました。
この経験から、努力の成果が表れない時期でも、周囲のサポートを得ながら行動の改善を試みることで成果に繋がるということを学びました。
営業という仕事ではなかなか成果が出ない時もあると認識していますが、そんな時だからこそ自分の行動を振り返り、自分だけでは改善できない部分は他者を巻き込みながら改善して成果に繋げていくことができると考えています。
長く続けてきたスポーツでのエピソードであり、テーマ選びとしては問題ありません。しかし、エピソードの鮮度としては、さらに改善できそうです。
回答したアドバイザーも「大学時代は挫折を経験しなかったので高校時代の挫折経験を選んだ」点を気にしており、大学時代のエピソードで探すことをすすめています。
大学生活で挫折経験がないということは「大学で真剣に取り組んだことがない」と思われてしまうリスクがあるからです。
エピソードを探す際は、まず大学に在学中の活動から、最も高い成果を上げた出来事は何か、思い出してみるとよいでしょう。
就活で挫折経験を分かりやすく伝えるポイント3つ

面接等で話す挫折経験はエピソード選びが重要なことは、先に述べたとおりです。
最適なエピソードを選んだ上で、さらに採用担当者に分かりやすく伝えるためのポイントを整理していきましょう。
以下の3つを意識するようにしてください。
- エピソードを具体化する
- マイナスイメージな表現は避ける
- 成功体験から逆算して構成する
詳しく見ていきましょう。
1.エピソードを具体化する
相手に話を伝える際は、なるべく具体化しておくとイメージしやすくなります。
特にエントリーシートでは文字数の制限がありますが、具体的なエピソードを盛り込むように意識してください。
Q&Aから例文を見てみましょう。
【例文】
高校サッカー部2年時に肺気胸になったことだ。
部員75人の中でレギュラーを掴み、副主将としてインターハイ出場を目標に練習に励んでいたが、肺気胸になり2ヶ月の離脱を余儀なくされた。
重要な時期に怪我をし、この上ない悔しさを感じたが、チームの勝利を最優先に考え、プレー以外でも貢献したいと考えた。
今の自分にできることを熟考し、入院中にタブレット上で試合の分析や戦術の課題点を洗い出し、チーム全体に自身の所感を伝えた。
退院後は、新しい練習内容の導入や練習中の意見交換の場を多く設け、戦術理解度の向上に注力した。
また小中学校でレギュラーを獲得できず悔しい思いをした経験から、試合に出場していない部員には休憩時間などに、より積極的に声を掛け、練習に付き合うなどをし、優勝に向けてチームの団結力の向上を意識した。
社会に出ても、順応性を活かした考動力と〇〇力を武器に弛まぬ努力を続けていきたい。
この挫折経験は構成がしっかりしており、伝わりやすい印象を受けます。
- 挫折経験の内容
- その時の気持ち
- 乗り越えるためにしたこと
- そこで得た強み
このような流れで構成されており、分かりやすく書かれています。
もう少し改善するならば、それぞれのパートにもう少し具体性を持たせることです。
例えば「この上ない悔しさを感じた」とありますが、“悔しい”という中にも様々な程度や状態があります。
どのような精神状態であったのか、具体的な表現を用いると悔しさの程度が分かり、克服した努力にも重みが増します。
また「新しい練習法の導入」とありますが、どのような練習方法で、どのような効果があったのかを具体的に書けば、取り組みのレベルの高さをアピールできるでしょう。
このQ&Aには、他にもプロのサポーターによる具体化の例が、たくさん掲載されていますのでご一読をおすすめします。
2.マイナスイメージな表現は避ける
挫折経験は失敗や困難にまつわるエピソードがテーマになるので、極力マイナスイメージを想起する言葉や表現は避けるようにしましょう。
マイナスな感情が悪いのではなく、それを乗り越えて前向きな気持ちを持てていることが大切です。
Q&Aに寄せられた添削依頼を見てみましょう。
【例文】
私の挫折経験は、部活動中に全治2ヶ月の足の怪我をして最後の大会に出場できなかったことです。
私は高校時代にバスケ部に所属しており、1年生からレギュラーメンバーとして、チームを引っ張っていました。その中、練習中の足の怪我で最後の大会まで復帰が出来ませんでした。
当初は、部活のみんなに迷惑をかけ、これまでの期間が無駄だったと思うほど落ち込みましたが、周りからの励ましや支え、辛い練習を一緒に乗り越えてきたメンバーの姿を見る中で、自分ができる事でチーム支えていこうと思う気持ちに変わっていきました。
チームを支えていく中、普段と違う視点で練習を見ることで、今まで見えなかったところをアドバイスをしたり、可能な限りでの練習をサポートをしてチームに貢献しました。
その結果、当時掲げていた目標は達成できませんでしたが、チームのサポート役として最後までやり遂げることができ、仲間からの感謝の言葉で、少しでも力になれたことに喜びを感じました。
この経験から、例え挫折してもプラスに変える力をつけ、何事も仲間と最後までやり遂げることの大切さを学んびました。
部活のバスケットボールで、大事な大会前にケガをして周囲に迷惑をかけ、これまでの努力が無駄になってしまったという挫折経験がテーマです。
そして、今できることでチームに貢献しようと気持ちを切り替えることで、立ち直ったプロセスが書かれています。
よく練られており好印象ですが、1点だけマイナスのイメージを与えかねない表現があります。
「周りからの励ましや支え」の部分です。
この挫折経験は、自発性をアピールする目的で書いているのですが、この表現があることにより、自発性が薄まっています。
「周りのメンバーの支えもありながら、自分の力で奮起した」といった表現に改めると、より意志の強さや自ら動いたことが伝わるでしょう。
このQ&Aには、この他にも就活のプロによる細かな添削が記載されていますので、挫折経験の書き方に悩む就活生の参考になると思います。
ぜひご一読ください。
3.成功体験から逆算して構成する
「どうしても挫折経験のエピソードが思いつかない」と悩んでいる人もいるでしょう。
もしかしたら、挫折経験=失敗経験から絞りだそうとしているのかもしれません。その方法にこだわっていると、エピソード選びに行き詰まりやすいです。
キャリエモンのキャリアサポーターはこのようにアドバイスをしています。
【例文】
そもそもエピソードが思いつかない・・・ということであれば、考え方をお伝えさせていただきます。
挫折経験=失敗経験 から考えると詰まってしまうことが多いです・・・!ですので「成功経験」から逆算してみてはいかがでしょうか。
成功するに至るまでは失敗や壁に当たることはあったかと思います。
そちらを【挫折】とし、どんなことに取り組んで成功にもっていったのかを伝えることができればエピソードとして納得感もありますね!
アルバイト・ゼミ・サークル・授業・・・ なんでも良いのでまずは成功経験を書き出し、志望されている事務や機械オペレーターの仕事に活かせそうな共通点を見つけてみてください!
直近の3~4年を振り返って、上手くいったことや大きな成果を出したことはなかったか思い出してください。
もし1つでもあれば、その過程で起きた直面した困難を、挫折経験として深堀するとよいでしょう。
以下のQ&Aでは、挫折経験を書く際に参考になる動画も紹介されています。ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ
悩みがちな挫折経験ですが、企業が質問する意図がはっきりと分かれば、対策しやすいのではないでしょうか。
挫折経験を伝える上で大事なのが、エピソードの選定です。
できるだけ最近の出来事から、熱心に長期間取り組んだもの、大きな成果を得た過程で発生した困難から、工夫して構成しましょう。
企業が知りたいのは挫折した経験そのものより、そこからどのような工夫や努力をして克服したのかという点です。
その点を具体的なエピソードを交えて魅力的に話すことができると、評価は高くなるでしょう。
挫折経験のように悩みがちなテーマは、同じ悩みを抱える就活生の相談から、たくさんのヒントが得られます。
キャリエモンのQ&Aには、就活生からの相談に対し、就活のプロであるアドバイザーの知見が豊富に掲載されています。
キャリエモンを活用すれば、今あなたが抱えている悩みも解消し、新たな視点が生まれるかもしれません。
ですので、Q&Aの閲覧に加えて相談を書き込むなどして、あなたの魅力が伝わる挫折経験の書き方を追求してみてください。
なお、もっと深く相談したいという方には、キャリアアドバイザーとオンラインで面談できる「キャリアサポート」も提供しています。
気軽な相談はもちろん、選考対策のアドバイス、求人の紹介から入社後のフォローまでマンツーマンでサポート可能です。
Q&Aとキャリアサポート、もちろん無料で利用できます。まずはお気軽に登録・相談してみてください。

