

新卒採用において必ず準備しなくてはならないのが、選考を受ける企業の志望動機です。
志望動機は、面接で「ほぼ100%聞かれる」といっても過言ではありません。エントリーシートや履歴書に記載する頻度もかなり高いでしょう。
そのため、多くの就活生が一度は「どう志望動機を書こう……」と頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。
志望動機は、企業に「ここで働きたい!」という本気度をアピールする貴重なチャンスです。
各企業の特徴に応じて志望動機をきちんと練り上げて面接に臨めば、通過率をアップさせられるはず。
この記事では、新卒採用で役立つ志望動機の書き方のコツと、採用担当者から高く評価されるポイントを解説します。
企業が新卒の志望動機を重視する理由
志望動機は、企業にとって選考判断の一つとなる重要な要素です。
多くの企業が志望動機から判断しようとしているのは、ズバリ「自社に対してどれぐらい本気なのか」です。
企業は「志望動機はなんですか?」と質問することにより、自社にどれくらい興味を抱いているのか、自社のどんなところに魅力を感じてくれているのか、といった興味関心度を測ろうとしています。
Q&Aに書かれている志望動機の例を見てみましょう。
【例文】
私は貴会での業務を通じて、人々の安心・安全な生活を支え、地域に貢献していきたい。
私はアルバイトで商品の提案を行い、お客様と信頼関係を築き、適切な提案によりお客様に感謝された経験がある。
その際に私は非常にやりがいを感じたため、多くの人を支え、信頼される仕事に携わりたいと考えた。
中でも貴会は、協同組合としてお客様第一に寄り添うことができ、保障の境界線が存在しない総合保障として、幅広いお客様の生活を支えることが可能である。
また、地域に密着した事業で、幼い頃から身近であった〇〇を拠点として働き、〇〇に貢献しながら働けるという点においても非常に魅力を感じている。
貴会で働くことで地域に貢献しながら、人々の生活を支え、一人でも多くの人に安心・安全を届けたい。
また、周囲の人と関わる中で、強い責任感と使命感を持ち、「私に頼ってよかった」と思ってもらえるような人材になりたい。
上記の志望動機の大まかな流れを抜き出してみると、以下の通りです。
- アルバイトの経験から顧客と信頼関係を築くことにやりがいを感じた
- 多くの人々を支え、信頼される仕事に携わりたい
- 幅広い顧客に寄り添い、生活を支える仕事ができる
- 地域に貢献しながら働ける
「顧客に信頼されること」や「地域に貢献できること」など、やりがいに通じる要素が具体的に示されている点がわかりやすくて良いですね。
「なぜ興味を持っているのか」がしっかり伝わる想いが表現されています。
ここから、さらに志望動機をブラッシュアップするアイデアとして、プロのキャリアサポーターからは「仕事の大変な側面も理解した上で目指していることを伝えよう」というアドバイスがされています。
確かに、実際の仕事ではもっと泥臭くキツイ部分もあるはずです。
営業の仕事は、(企業によりますが)体育会系の気質が強くノルマも厳しい側面もあります。
そうした厳しさも理解した上で、それでも目指したい、成果を上げたいという気持ちを志望動機でアピールできればより本気度を伝えることができるでしょう。
評価される「新卒の志望動機」3つのチェックポイント

それでは、高く評価される新卒の志望動機とは、どのようなものでしょうか。
多くの企業が評価するポイントは、以下の3つに集約されます。
- 採用するメリットが感じられる
- 入社後の活躍がイメージできる
- 自社の求める人材像とのマッチ度
志望動機を文章に起こしたら、上記3つのポイントが満たされているかどうか、必ずチェックしてみてください。
企業が自分を採用するメリットが伝わるか?
企業が優秀な人材を求めるのは、採用することで自社に大きなメリットをもたらしてくれるからです。
そのため多くの採用担当者は、この応募者を採用したら会社にどのようなメリットをもたらしてくれるだろうかという視点を持っています。
しかし多くの志望動機は「こんなことをやりたい」「こんな成長をしたい」など自分にばかり焦点をあてがちです。
「企業にとってどんなメリットがあるのか」を考慮したメッセージが盛り込まれていないケースが実は多いのです。
Q&Aの例文を見ながら考えていきましょう。
【化粧品メーカー・営業職の例文】
私は多くの人に自信を持たせる製品を提供したいという想いから貴社を志望します。
私は学生時代、顔のニキビや赤みといった肌荒れに悩み、人に顔を見られることに恐怖心を抱いてました。
しかし、自分に合った化粧品を試したことで肌荒れは改善し、外見に限らず、人前に顔を出す勇気を持つことができました。
この経験から、肌の健康が人の心に与える大きな影響を実感したため、多くの人が自分らしく生きることを支えたいと考えるようになりました。
「素肌美」を追求し、ベストセラーよりロングセラーを志す貴社に共感し、私の想いを実現できると考えました。
貴社の肌粧品は全品医薬部外品であることから、品質・安全性・有用性に優れているため、性別や年齢問わず多くのお客様の肌悩みを解消できると感じました。
私は貴社の営業職として、お客様のパートナー的な立ち位置として、製品を通じて「自信を持てる肌」を提供することで、多くのお客様の人生を支えていきたいと考えます。
上記の志望動機は、「自分がその会社を選ぶメリット」に関しては、具体的なエピソードをもってしっかり伝えられています。
そのため、「会社が採用するメリット」を新たに追記することで、より採用担当者に好印象を残せる志望動機にブラッシュアップできそうです。
たとえば、営業職の場合、会社が求めるメリットは「売上を伸ばしてくれること」である可能性があります。
その場合、「自分を採用すると売上に貢献できます」という要素を伝えられる想いやエピソードを盛り込むとよいでしょう。
企業が求めるメリットを理解することと、自分がどのように企業が求めるメリットを提供できるか、という視点を持って作成してみてください。
入社後の活躍がイメージできるか?
企業が新卒採用で求めるのは、将来にわたり自社で活躍してくれる人材です。
志望動機から入社後の活躍が具体的にイメージできれば、選考通過の可能性は飛躍的に高まるでしょう。
自分の持っているスキルや関心が、企業の実務で必要とされるものとマッチしていれば、高い評価を得やすくなります。
Q&Aから、志望動機の例文を見てみましょう。
【例文】
私は運転になれが生じていない人でも、安心安全に運転できる製品を作ることで、誰もが楽しく移動できる手段を実現したいため御社を志望する。
叔父は、車会社に勤めるほど車が好きな人でそのおかげで幼少期から様々な車に乗せてくれました。
そのおかげで利用者に合わせた内部構造の違いが面白いと思うようになりました。
また、社内にテレビがあり、そのテレビをハンドル代わりに運転の真似をして遊び、車が単なる移動手段ではなく思い出の詰まったものになりました。
小さいころから、マニュアルを触らせてもらった経験から、バスの運転手のようにマニュアルを運転したいと考えるようになりました。
しかし高校3年生の際に、叔父が車の事故に遭い、運転免許を取ることが怖くなりました。
両親の勧めで、ATの免許を取ったものの、教習所ではアクセル・ブレーキを目視できず足で行うことや歩行者の確認をしながら回り道のハンドルを切り具合を調節するなど、運転の難しさを痛感し、より怖くなりました。
そのため、この恐怖を打ち消すため、実際に免許取得後、2時間ドライブをしたり、得意な人に聞いてみたりしましたが、まだ運転に前向きな気持ちになれません。
この経験から、運転になれが生じていない人でも、安心・安全に運転できる製品を作ることで、誰もが楽しく移動する手段を実現したいと考え御社を志望しております。
自動車部品メーカーの、情報処理系エンジニアを目指している方の志望動機です。
自動車関連の仕事を志した理由と、その思いに至った原体験がしっかりと盛り込まれており、好感が持てる志望動機となっています。
もう少し改善するならば、情報処理系のエンジニアとしての技術的な視点を入れてみると良いでしょう。
大学での専攻や研究で学んだことは、この会社の業務で活かせる部分があるはずです。
具体的な技術に関する興味関心や、これまで大学で学んできたことを盛り込むと、活躍してくれそうなイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
企業が求めるポイントにマッチしているか?
まずは以下のQ&Aから例文を見てみましょう。
生命保険業界を目指す方の志望動機です。
【例文】
塾のチューターとしてアルバイトを2年間やってきました。
大学受験という生徒の人生の大きな挑戦を支える仕事の経験から、自分も人々の不安や課題に寄り添い、人生のサポーターとして支える生命保険業界に魅力を感じ志望しています。
志望動機は、その会社(業界)を目指すに至った「思い」を伝える場。
そして、その「思い」に説得力を持たせるのが、過去の経験です。
上記の志望動機では、アルバイトで生徒を支えた経験から、人々の不安に寄り添う保険の仕事を目指したい想いが伝えられています。
保険の仕事を目指すのは、「人に寄り添いたい思いがあるから」というメッセージがしっかり読み取れる志望動機でしょう。
ここで、ひとつ注意点!志望動機を提出する前に「企業が求めるポイントにマッチしているか?」を改めて考えてみましょう。
プロのキャリアサポーターによると、多くの学生が保険業界を志望するも落ちてしまう要因の一つに「人に寄り添いたい」という思いが前面に出すぎていることがあげられています。
もちろん「人に寄り添い、人の力になる」ことは大切です。ですが、それだけでは保険会社は事業を継続できません。
売上や利益がなければ事業ひいては会社を成長させることができないため、「成果をあげる視点」を取り入れることで、より良い志望動機にブラッシュアップさせられるのです。
本気度が伝わる新卒の志望動機の書き方6つのコツ
ここでは本気度が伝わる志望動機の書き方のコツを、6つ紹介します。
- 具体的なエピソードを交える
- その業界・会社を選んだ理由を明確にする
- 具体的な仕事内容を交えて成果を目指すアピールをする
- 選考を受ける職種と自身のアルバイト経験をリンクさせる
- ポイントを絞り簡潔にまとめる
- 入社意欲を伝える
詳しく解説していきます。
1.具体的なエピソードを交える
なぜ、その仕事を目指そうと思ったのか、具体的なエピソードを交えて話すと共感を得やすく印象に残ります。
具体的には、仕事を目指すに至った「原体験」を志望動機に盛り込みましょう!
Q&Aに「原体験を入れる前の志望動機」と「入れた後の志望動機」を比較している相談があるので見てみましょう。
【原体験を入れていない志望動機】
お客様に寄り添い、生の音楽と現場の熱狂が重なり合う「唯一無二の体験」を提供したいからだ。
貴社は、企画・制作・運営を一手に担い、ファンクラブや事務所と連携し独自の感動体験を作り出している。
特設サイトや座席、現場の運営スタッフ、チケットデザインを通じて、お客様の感動体験のひとつひとつに関わることができる点に強く惹かれた。
入社後は、状況を観察し課題に応じて最適な策を追求する強みを活かし、「唯一無二の体験」を提供したいと考える。
字数制限の関係で、あえて原体験を入れずに「企業の志望理由」と「強みをどう活かすか」に絞って書かれたようです。
では、原体験を交えて書き直した志望動機と比較してみましょう。
【原体験を盛り込んだ志望動機】
人生に深く関わる体験を届けたいという夢を実現できるからだ。
姉や友人が震える手で当落を確認し、一喜一憂する姿を見て、膨大な公演数や応募数の中でも、一人ひとりの人生に感動をもたらすことができると感じた。
貴社はファンクラブと連携し、他社では味わえない体験を提供しており、その点に魅力を感じて志望した。
実際に自分が目の当たりにした光景から、仕事の素晴らしさを実感したことがエピソードから伝わってきます。
原体験があることで、人間性も垣間見えるので、より温度感のある志望動機に仕上がっています。
2.その業界・会社を選んだ理由を明確にする
採用担当者から見て残念に思う志望動機の一つに「うちの会社でなくてはならない理由」が見えてこないことが挙げられます。
たとえば「保険業界でこんな働きをしたい」「営業としてこんな成果を上げたい」のように、“会社”を主語にしているのではなく、“業界や職種”を主語に作成してしまっているケースです。
同業他社でも同じ志望動機を使い回せてしまう状態にあると「うちじゃなくても良いよね」と思われかねません。
そのため、志望動機には「この会社で仕事がしたい」「この会社だから働きたい」と思った理由を必ず盛り込むことが重要です。
Q&Aから、例文を見てみましょう。
【例文】
私は、神奈川県小田原市の地域に根ざした信用金庫で働き、地域の皆さまの生活を金融の面から支える仕事に携わりたいと考えています。
貴金庫の企業理念である「地域社会との共生」と「豊かさへの貢献」に共感し、地域の発展に寄与することで自らも成長できる環境に魅力を感じました。
特に、貴金庫が大切にしている「お客さまとのコミュニケーション」を重視する姿勢に惹かれました。
私はアルバイト経験を通じて、丁寧な接客とお客様の立場に立った対応の重要性を学び、リピーターの獲得に貢献しました。
この経験を活かし、地域のお客様一人ひとりと信頼関係を築き、最適な金融サービスを提案できる職員を目指したいと思います。
また、貴金庫がSDGsの目標達成に向けた取り組みを推進し、地域の経済、社会、環境の持続的な繁栄を目指している点にも共感しました。
私も地域密着型の金融機関の一員として、地域の発展に貢献できるよう努力したいと考えています。
- 企業理念
- その会社が大切にしている姿勢
- その会社が行っている取り組み
これらの点に共感したことが「会社を選んだ理由」として、盛り込まれている点が具体的でとても良いですね。
このように企業理念や、ポリシーに基づく具体的な取り組みなどから志望動機を練ると「その会社でなくてはならない理由」を打ち出すことができます。
さらに言えば、その会社で「どのような貢献がしたいのか」まで、盛り込めるとより良いです。
以下の流れを意識して志望動機を構成すると「その会社でなくてはならない理由」と「活躍してくれるイメージ」が、伝わりやすくなります。
- なぜその業界(職種)なのか
- その業界(職種)の中でも「なぜ◯◯会社で働きたい」のか
- 具体的にどのように貢献したいのか
ぜひ、参考にしながら作成を進めてみてください。
3.具体的な仕事内容を交えて成果を目指すアピールをする
企業が求めているのは、自社で成果を上げ活躍してくれる人材です。
例えば、営業であれば「確実に数字を作る人」がほしいと考えている企業は多いかもしれません。
その場合は、志望動機内で「数字をあげられる(アポ獲得数、売上・利益など)」ことをアピールできると、採用担当者に好印象を抱いてもらえる可能性が高まります。
Q&Aの例文を見ながら、考えてみましょう。
【IT企業の営業職の例文】
ITを通じて企業や人々の当たり前を変化させ、豊かな社会の実現に貢献したいと思い、御社を志望します。
私は2つのアルバイトを経験し、(1つは手書き、1つはハンディでオーダーを取り、)その中でITがある場合の業務効率化やミスの削減などを実感しました。
また日常でスマート決済やマイナンバーカードの進歩などからITの可能性と影響力の大きさを実感し、次は私が変化を牽引して、価値を提供したいと考えました。
御社は「社会に鮮やかな彩りを」を掲げ、金融分野から産業、地方創生など幅広く事業を展開し、また多種多様な業種の3000社以上のビジネスパートナーを有しています。
そんな御社であれば広く深く私の想いを実現できるのではないかと魅力を感じています。
私はアルバイトで周囲を巻き込んで課題を解決した経験から、共通の目標を達成することにおいて周囲を巻き込みながら一体感を持つことが重要だと学び、自身の強みとしてきました。
入社後はこの経験を活かし、「ビジネスの先導役」として、お客様に寄り添いながらSEの方や多種多様な企業を巻き込み、お客様に提供する価値を最大化させ、その先で社会課題を解決したいと思い御社を志望します。
「豊かな社会の実現」のために、ITの仕事がしたいという「思い」がしっかり伝わってくる志望動機です。
より良く志望動機を改善するとしたら、ここに「営業として活躍してくれそうな印象」を持たせるエピソードを加えると良いかもしれません。
例えば「社会課題の解決といった目標を掲げる」前に、「まず目の前の仕事で成果を出す」視点でメッセージを伝えることで、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなるでしょう。
まずは、具体的な仕事内容をしっかり理解し、その仕事でどのような工夫をして成果を出したいか、じっくり考えてみましょう。
そこから、仕事の成果がどのように社会貢献や社会課題の解決に結びついていくか、という流れで伝えれば、「豊かな社会の実現のために働きたい」という想いをより深く伝えられるようになります。
4.選考を受ける職種と自身のアルバイト経験をリンクさせる
アルバイト経験を志望動機に盛り込むのも効果的な手法です。
特に、「アパレルでのアルバイト経験」があり、就活でも「アパレル業界を目指す」ような、同じ業界・職種を目指す場合は強いアピールポイントとなります。
志望動機では、アルバイト経験を通じて得た学びやスキルが、どのように入社後の活躍につながるのかを伝えるとよいでしょう。
Q&Aから、2つの例文を見てみましょう。以下は、空港内の物品販売職を目指す志望動機です。
【例文1】
私は旅行者に対し、旅における最後の思い出作りの空間である空港で商品を販売したいと思い、志望しました。
遠方の旅行でお土産を買う際、ラインナップの充実性かつ荷物の負担度から空港に信頼性を感じる中、これを提供する側から旅行者のニーズに合う商品提供に挑戦したいと思っています。
特に貴社では旅客数が最も多い特徴から旅行者と接する機会が多いことにも魅力的です。
しかし宿泊勤務を含む不規則なシフト制であることから慣れるまでは生活リズムを整える大変さがありますが、そうした環境で自己管理能力を高め、成長できると考えています。
それらの点から旅行者のニーズを的確に捉え、柔軟に対応できることに活躍していきたいです。
上記の例文に、プロのキャリアサポーターからのアドバイスを元にまとめた「コンビニでのアルバイト経験を盛り込んだバージョン」を見てみましょう。
【例文2】
-
私は旅行者にとって旅の最後の思い出作りの場である空港で商品を提供したいと考え、志望します。
自身の旅行経験から空港の品揃えや利便性に信頼を感じており、それを提供する側から旅行者のニーズに応えたいです。
私はコンビニのアルバイト経験から、人それぞれ望むサービスは違うことを学びました。急いでいるお客様にはスピーディーに対応することや、会話を楽しみに来ているお客様にはできるだけ声をおかけするなど、1人1人に合った対応を心がけてきました。
空港の物販では出張のビジネスマンや、観光旅行客など、さまざまな利用者が顧客となるため、私のこの経験は活かせると考えています。
宿泊勤務を含む不規則なシフトに適応しながら、自己管理能力を高め、快適な買い物体験の提供を目指していきます。
コンビニアルバイトの接客経験で身につけた「一人ひとりのお客様に合わせた対応」は、空港の物品販売でも十分に活かせるスキルです。すぐに店頭で活躍しているイメージが湧くでしょう。
アルバイトで身につけたスキルは、同じ職種でなくても活かせる部分があるものです。
志望動機を考える際は、アルバイト経験で得た学びやスキルを棚卸してみて、アピールにつながるものはないか探してみてください。
5.ポイントを絞り簡潔にまとめる
エントリーシートの志望動機欄には文字数制限があり、盛り込める内容は限られます。
また、面接で話す際も、たくさんの内容を伝えようとすると話が長くなり「結局何が言いたかったのかよく分からない」ことにもなりがちです。
志望動機を練る際にはポイントを絞って、簡潔にまとめることを意識してください。
ポイントを絞って簡潔にまとめるコツをQ&Aの例文を見ながら考えてみましょう。
【市役所職員を目指す例文 改善前】
DX推進により、人々が安心して暮らせる街を実現したいと考え、貴所を志望しました。
統計分野の専攻経験と地域ボランティアを通じ、データを活用した社会課題の分析、解決に携わりたいと考えるようになりました。
また、インターンシップで、子供たちが自主的にプログラミングを学ぶ姿を見学し、DXによる街づくりの可能性に魅力を感じました。
今後は、私の強みである「自ら解決策を考え行動する力」を発揮し、すべての市民が安心して暮らせる社会の実現に貢献したいです。
DX推進によって、人々が安心して暮らせる街を実現したいという明確な軸が伝わってきますね。
ただ、強いて言えば「なぜ市役所で働きたいのか」が見えづらい点が少し気になります。
市役所には、DX推進以外の部署や仕事もあるため「他の環境でもDXに携われるんじゃないか」「DX推進の仕事に関われないとモチベーションが下がってしまうんじゃないか」と思われてしまう可能性があるからです。
なので、自身の興味やスキルを軸に伝えられている点は素晴らしいですが、字数制限がある場合は、「その会社でなくてはならない理由」にポイントを絞ることをおすすめします。
市役所でDX推進に携わりたい理由にポイントを絞って、改善された文章も見てみましょう。
【市役所職員を目指す例文 改善後】
1年間の地域ボランティアの中で、直接感謝されることに喜びを感じ、市民を多方面から支える市役所で働きたいと考えました。
その中でも、藤沢市のインターンシップにて、子供たちが自主的にプログラミングを学ぶ姿を見学し、DXによる街づくりの可能性に魅力を感じました。
「スマート藤沢」「サステナブル藤沢」というコンセプトに、私の統計分野の専攻経験を、データ分析、課題解決という形で活かしたいと考えています。
ポイントを絞ったことにより、市役所を志す動機と、目指すに至ったきっかけが明確になりましたね。
また、藤沢市で働きたい理由と、そこで活かせる自身のスキルも明記されており、かなり端的に整理された印象で伝わりやすい志望動機に改善されています。
6.入社意欲を伝える
志望動機では、入社意欲をしっかり伝えていきましょう!
企業が書類選考〜最終面接まで選考する際の判断ポイントには、経験スキルや人柄・価値観だけでなく「内定を出したら入社してくれるのか」という入社意欲も含まれています。
特に新卒採用においては具体的なスキルよりも、入社意欲を重視する傾向が強くなります。
それではQ&Aから、入社意欲がしっかり伝わる例文の書き方を見てみましょう。
【例文】
少数精鋭の環境の中で、早期から責任ある業務を経験し金融の知識を深め、お客様に最適な課題解決ができる人材へと成長したいと考えています。
貴社の女性セミナーに参加し、モチベーション高く働く社員の方々が多く、周囲に相談しやすい環境に魅力を感じ志望しました。
私はアルバイトリーダーとして、日々の業務だけでなく、コンテストやカフェ部門の担当、卒店式の運営など様々な業務を経験しました。
その中で、限られた時間の中で効率的に業務を進める力を身につけ、同時に多様な業務を担当することにやりがいを感じました。
この経験を活かし、積極的に行動しながら貢献していきたいと考えています。
社風や職場風土に共感したことが、よく伝わる志望動機ですね。
志望動機では「絶対にこの会社でなくてはならない」という本気度を伝えることが大切なので、以下の工夫をするとさらに良くなります。
その会社に魅力を感じている部分にフォーカスしてみましょう。
例えば、この例文では以下の部分です。
- 少数精鋭の環境を求めている理由
- 早く責任のある業務を任されたい理由
- この会社独自の取り組みに惹かれたこと
- 具体的にどのような貢献をしていきたいか
上記の要素をさらに詳しく盛り込んでいけば「ぜひ御社で働きたい」という熱意を伝えることができますよ。
まとめ
志望動機は、入社意欲を伝えることと、会社に対する本気度のアピールにポイントを絞ると、上手くまとまります。
もちろんそのためには、企業研究と自己分析を深く掘り下げた上での裏付けが必要です。
とくに採用担当者が志望動機から知りたいのは「なぜうちの会社なのか」です。
数ある企業の中から、なぜ当社を選んだのか、そしてその理由から自社に対する本気度を推し量ろうとしています。
志望動機を作る際には「その会社でなくてはならない理由」がしっかり伝わるかどうか何度も確認してください。
そして「絶対にこの会社に入りたい!」という、熱量を持ったアピールをしていきましょう!
とはいえ、志望動機を作る際「この文章で大丈夫かな」と悩むことも多いのではないでしょうか。
そんな時は、キャリエモンのQ&Aを活用してみてください。
キャリエモンには、多くの就活生の悩みに対して、プロの視点からのアドバイスが豊富に掲載されています。参考にすれば、あなたの本気度が伝わる志望動機の書き方が分かるでしょう。
もちろん、直接質問していただいてもOKです。添削したり、改善点のアドバイスをしたりすることも可能です。
また、もっと踏み込んだサポートが必要という方には、マンツーマンの「キャリアサポート」も実施しています。
簡単な登録のみで、無料ですぐに使えるので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
気軽な相談から求人の紹介、選考対策のアドバイスや入社後のフォローまで、マンツーマンでサポートします。

