

本格的な面接選考に進む前に、まず突破しなければならない関門が「エントリーシート」です。
人気があり応募者の多い企業の選考では、エントリーシートの通過すら難しいと感じた就活生も多いのではないでしょうか?
通過しやすいエントリーシートには、共通する特徴があります。
そのポイントを意識するだけで、通過率はアップするでしょう。
この記事では様々なエントリーシートの記入項目の中から「自己PR」にスポットをあてて解説します。
この記事を最後まで読めば、採用担当者の目にとまる、会ってみたいと思わせる自己PRの書き方のコツが習得できますよ!
エントリーシートの自己PRで企業はここを見ている!
採用担当者にしっかり読んでもらえるエントリーシートに共通する特徴として、相手(書類選考担当者)の知りたいことがきちんと書かれている点が挙げられます。
自己PRだからといって、自分が伝えたい事を自由に書いてアピールするだけだと、通過率の改善は難しいと言わざるを得ません。
まずは、企業がエントリーシートになぜ自己PRを書かせるのか、そこから何を判断しているのか、企業側の視点を知ることが第一です。
企業がエントリーシートで「判断したいポイント」は?
企業は応募者が提出したエントリーシートから、以下の4点を知りたいと考えています。
様々な項目に記載された内容から、その人物像を推察し入社の可能性のある応募者を選考に進めます。
【エントリーシートで企業が応募者を判断するポイント】
人柄性格
自社へのマッチ度
コミュニケーションスキル
入社後に活躍できそうか
まず、ESに書かれた文章や内容から、応募者の人柄や性格を推察します。その上で応募者が、自社の社風や仕事内容にマッチするかを判断します。
コミュニケーションスキルについては、記載内容が問いに対して的確であるか、あるいは書かれているエピソードから把握していきます。
特に力を入れたいのが「入社後に活躍できそうか」の項目です。
採用担当者が会ってみたいと考える応募者は、まず「入社後に活躍してくれそうな人」であることを念頭に置いた上で、伝わりやすい例文があるので見てみましょう。
【営業職志望のエントリーシート自己PR】
私の強みは成長意欲を持ち続け、目標に向かって積極的に学び続ける力です。この強みが発揮されたのは3年間続けているコンビニのアルバイトでの経験です。
アルバイトを始めた当初はレジでの商品の会計や商品の品出しといった基本的な仕事をこなしていくことに精一杯な状態でした。
ある時荷物の宅配をするお客様の受付業務を担当したのですが、どう対応すればよいか分からず、先輩のサポートに頼りきってしまったことがありました。
業務の理解不足で何もできなかったことに悔しさを感じたので、少しでも早く成長して周りから信頼される存在になることを目標にしました。
まずは自分が苦戦したレジ対応を完璧にするために、普段使用しないようなレジの機能のことや予約ギフトの受付対応などまで先輩から教えてもらい、どんな状況でもスムーズにレジ対応できるように準備しました。
それ以外にも4人の先輩と店長からこれまで仕事の中で経験したミスについて聞いてそれを自分事として捉え、同じミスを繰り返さないための注意点をメモ帳に整理して、業務の理解を深めていきました。
このような取り組みをしたことで業務の理解が深まり、ミスを恐れることなく主体的に仕事に取り組めるようになり先輩や店長から「頼もしくなったね」と声をかけられることも増えました。
そして、本来はアルバイトを始めて2年目以降に任せてもらえる新人教育をアルバイトを始めて1年後に任せてもらうことができました。
この例文の良いポイントは以下の3点です。
1課題を自ら見つけ、改善すべき目標として設定したことが伝わる課題⇒業務の理解不足目標⇒周りから信頼される存在2目標達成に向けた努力・行動が分かりやすく書かれている先輩に教えを請う先輩のミスの経験談を聞き業務理解を深めた3具体的な成果が分かりやすく書かれている通常2年はかかる指導役を1年で任せてもらえた
営業職として必要な「課題発見力」があり、目標達成に向け努力する姿勢が十分に感じられます。
営業職として活躍してくれそうなイメージが湧きやすく、会ってみたいと思わせる自己PRに仕上がっています。
連携URL:営業職を目指す上で、分かりやすい自己PRの構成はどう作れば良いでしょうか?|「自己PR」の相談
企業がエントリーシートで「評価するポイント」は?
企業が会ってみたいと思う応募者は「自社での活躍がイメージできる人物」であることは、先に触れた通りです。
効果的に伝えるには、自己PRに盛り込むエピソードの書き方が重要になります。
ではエピソードの、どのポイントを見て「活躍できそう」と評価するのでしょうか。
企業の評価ポイントを見ていきましょう。
【エントリーシート自己PRのエピソード評価項目】
評価項目評価されやすいポイント1.経験自体のインパクト・盛り込んだエピソードに独自性があると目につきやすい・レベルの高い、長期間取り組んだ経験であるほど評価が高い2.目標達成能力・目標達成に向けた努力の度合い・主体的な目標で、設定の動機が明確・努力の方向性が適切である3.集団でリーダーシップを発揮した経験・集団に自分の考えを浸透させた経験・その考えのもと集団を動かした経験4.挑戦する姿勢・主体性が発揮された挑戦・既存の流れではなく、0を1にするような挑戦・一過性ではなく長期に影響を及ぼす挑戦
これらが反映された例文を見てみましょう。
【例文】
高校時代、水泳部のマネージャーとしての経験が私に大きな影響を与えました。
この経験を通じて、私は前向きに行動する人間へと変化していきました。
それまでの私は、自分が成果をだす取り組みが多かったのですが、マネージャーは選手の成果を支える立場であり、周りを巻き込みながらのアプローチが求められました。
マネージャーとしての業務を進める中で、私だからこその価値をチームに還元できているのかと悩んだこともありましたが、自分から仕事を探しにいく姿勢が身に付きました。
特にコロナ禍で普段通りの練習ができない中、選手のモチベーション維持やチームの一体感を高めるために、何ができるかを模索しました。
具体的には、練習メニューの提案や、選手一人ひとりと対話し、目標設定をサポートしました。その結果、練習の質が向上したと多くの部員から評価をいただいたのは自信につながる経験でした。
この経験を通じて、受け身ではなく主体的に考え、周囲を巻き込む力が身についたと感じています。
これ以来、どんな状況でも自ら動き、周囲と協力しながら課題を解決する姿勢を大切にしています。
この例文が良いと思われる点を以下にまとめます。
高校時代の大部分を費やした挑戦であること
立場の変化に対応し選手の成果を支える行動をと取ったこと
周囲を巻き込みながらリーダーシップを発揮したこと
自ら主体的に考え行動する姿勢に変化したこと
選手のモチベーション向上や一体感を高めるために取った行動が分かりやすい
練習の質が向上したという成果(周囲からの評価)が分かりやすく書かれている
一つのことにじっくり取り組む姿勢や、立場の変化に順応しながら周囲を巻き込む力があることが上手にアピールできています。
加えて主体性のある行動で周囲に良い変化をもたらしたことが、具体的なエピソードで語られている点も好印象です。
このような人物なら、周囲に良い影響を与え活躍してくれるのでは、と感じてもらえるでしょう。
連携URL:自己PRとしてどちらのエピソードが魅力的でしょうか?また改善点はありますか?|「ES全般」の相談
エントリーシートに記載する自己PRの書き方【基本的な流れ】
エントリーシートに自己PRを記載する時は、セオリーに沿って書くと採用担当者に伝わりやすくなります。
ここでは、自己PRを書く際の基本的な流れを解説していきましょう。
以下の流れで書いていけば採用担当者も読みやすく、内容も伝わりやすくなるでしょう。
基本的な流れポイント1.結論・まず最初に結論を伝える・「私の強みはOOです」と言い切る2.具体的なエピソード・伝えた結論を裏付ける具体的な内容・直面した課題⇒課題克服のための努力⇒努力の結果の流れで構成3.エピソードから得た学び・学びから得た強みを端的に記す4.強みをどのように仕事で活かしていくか・具体的に仕事に活かすイメージを伝える
上記の構成を意識した自己PRの例文を見てみましょう。
【粘り強さの強みを営業職に活かす例文】
私の強みは何事にも粘り強く努力し、困難を乗り越える力があることです。
この強みは、高校のバスケットボール部で発揮されました。私の高校は田舎にあり、自転車で2時間かけて通っていました。しかし、移動による疲労で練習に集中できず、思うように能力を上げたり、試合に出ることができませんでした。私は、この状況を変えるために二つの取り組みを行いました。
まず一つ目に、基礎体力の向上を目的とした努力をしました。具体的に、毎朝30分のランニングと筋力トレーニングを継続しました。二つ目に、疲労管理を徹底しました。練習後のストレッチや〇〇の食事管理を改善しました。これらの取り組みを6ヶ月継続したことで疲れにくい身体をつくり、練習への集中力を高めることができました。そして、念願のスタメン入りを果たしました。
この経験から、何事にも粘り強く努力すれば、多くの困難を乗り越えられることを学びました。
今後はこの粘り強さを強みとして活かし、IT業界の営業職として顧客の課題解決に粘り強く取り組んで活躍していきたいと考えます。
このように構成を意識して書くだけで、すっきりとして読みやすく、伝わりやすい自己PR分になります。
ぜひ参考にしてみてください。
連携URL:営業職志望の自己PRを添削していただけますか?|「自己PR」の相談
エントリーシートの自己PRを書く時に意識すべき3つのポイント【例文あり】
ここでは、エントリーシートの自己PRを書く際に、意識すべきポイントを3つ紹介します。
以下のポイントを意識すれば、伝わりやすく好印象を持ってもらえる、自己PR文が作成できます。
エピソードは具体的に書く
強調したいアピールポイントは一つに絞り込む
アピールする強みは「能動性」を意識する
それでは見ていきましょう。
1.エピソードは具体的に書く
自己PR文で重要な要素となるのは、自身の強みとして提示した内容を裏付けるエピソードの書き方です。
エピソードを書く時に最も意識してほしいのが、より具体性を持たせることです。
具体性を持たせることで、より印象深くあなたの人物像をアピールでき「この人はうちの会社でも活躍してくれそうだ」と感じてもらえます。
例文を見てみましょう。
【改善前】
私は、課題を見つけ、解決に向けて挑戦する力を持っていると自負しています。自分の中の課題を見つけ、それを解決するための挑戦をしてきました。
まず、大学のゼミではリーダーシップを養うためにゼミ委員に立候補し、話し合いの中心となって全員が納得できる形で議論を進めました。
また、コミュニケーション力を高めるために接客業である居酒屋でのアルバイトを大学1年から現在まで続け、お客様や職場の方との円滑なやり取りを心がけました。
これらの行動により、リーダーシップとコミュニケーション力の向上に成功しました。
貴社は多岐にわたる事業展開を行っており、その中で様々な挑戦を通じて自己成長ができると確信しています。
私は、今までの経験を活かし、貴社で新たな課題に挑戦し、会社とともに成長していきたいと考えています。貴社の一員として、幅広い業務に関わりながら、自らの能力をさらに伸ばし、貢献できるよう努力していきたいです。
【改善後】
私の強みは課題解決能力です。
まず、大学のゼミではリーダーシップを養うためにゼミ委員に立候補しました。ゼミではメンバーの意見がまとまらず、議論が停滞してしまうという課題がありました。ここで私は、ゼミ委員として、メンバー一人ひとりの意見を丁寧に聞き取り、共通の目標を見出すことで、全員が納得できる結論を導き出すことに成功しました。
また、コミュニケーション力を高めるために接客業である居酒屋でのアルバイトを大学1年から現在まで続け、お客様や職場の方との円滑なやり取りを心がけました。
これらの行動により、リーダーシップとコミュニケーション力の向上に成功しました。
貴社は多岐にわたる事業展開を行っており、その中で様々な挑戦を通じて自己成長ができると確信しています。
私は、今までの経験を活かし、貴社で新たな課題に挑戦し、会社とともに成長していきたいと考えています。貴社の一員として、幅広い業務に関わりながら、自らの能力をさらに伸ばし、貢献できるよう努力していきたいです。
改善前の「話し合いの中心となって議論を進めた」という表現では、どのような課題があり、それをどのような工夫で解決したのか、具体的なことが分かりにくいです。
改善後の例文では、以下のように「課題→解決のための行動→結果」の流れで具体性がでています。
課題意見がまとまらず議論が停滞する行動メンバーの意見を丁寧に一人ひとり聞き取り、共通の目標を見出す結果全員が納得できる結論を導き出すことに成功
「課題→行動→結果」の流れができることで、課題解決力のありそうな人物というアピールにつながります。
もう少し強化するならば、工夫や成果が数値化できるものであれば、数字を盛り込むのも効果的です。
例えば「メンバーの一人ひとりに」を「メンバー30人全員に」と書けば、行った工夫の大変さがより伝わります。
「こんな努力ができる人を見送るのはもったいない」と思わせるエピソードに仕上がるでしょう。
連携URL:自己PR文の添削をお願いできますか?|「自己PR」の相談
2.強調したいアピールポイントは一つに絞り込む
自己PR文を書く時に、アピールしたいポイントがたくさんあることは良いことです。
しかし、複数のアピールポイントを盛り込み過ぎると逆効果で、かえって印象が薄くなってしまいます。
採用担当者は何人ものエントリーシートに目を通すため、印象の薄いエントリーシートは通過しにくいものです。
アピールポイントを一つに絞り、エピソードを深堀することで解像度が増し、印象に残りやすい自己PR文になります。
例文を見てみましょう。
【改善前】
【逆境を強みに変える前向きさ】が私の強みだ。チアリーディング部での3年間で戦力外からBチームキャプテンまで経験し、部員に寄り添った。大学からチアを始め、上に乗るポジションを担当したが、体重制限に苦しみ、1年後にはポジション変更を余儀なくされた。不甲斐なさを感じながらも「支える側と支えられる側、両方の経験を私の強みとしてチームに活かそう」と気持ちを切り替えた。
経験を生かし、技術力向上と部員支援に注力。上のポジションの人員不足に対し、一年かけて元のポジションに復帰。体重制限に悩む部員の声を聴き、食事に誘ったり幹部間で情報共有したりすることで、全員がチアを楽しみながら成長できる環境づくりに取り組んだ。
その結果、下級生中心チームのキャプテンに抜擢され、大会では完璧な演技を披露することができた。この喜びをチーム全員で分かち合えたことが最高の思い出だ。今後も前向きに行動し、周囲に活力を与えていきたい。
この例文では、自身のプレーヤーとしての努力と、チームへの貢献の努力、二つがアピールポイントに盛り込まれています。
少しごちゃごちゃした印象になり、かえって伝わりにくくなっているようです。
チームへの貢献に絞って書くと以下のようになります。
【改善後】
【マネジメント力】が私の強みです。大学から始めたチアリーディングで、戦力外からBチームキャプテンまで経験し、部員に寄り添った経験により培ったものです。
体重制限に苦しんだこともあり、トップとベース両方のポジションを経験した私は、この経験を活かしメンバーのマネジメントに注力、チーム全体の技術力向上を目指しました。
体重制限に悩むメンバーへのアドバイスをはじめ、積極的に食事に誘って部員の意見を聞き、それを幹部間で共有し新たな練習方法を模索するなど、全員がチアを楽しみながら成長できる環境づくりに努めました。
その結果、下級生中心チームのキャプテンに抜擢され、OO大会では完璧な演技を披露しO位の成績を納めました。
この経験を御社でも活かし、周囲に活力を与えられるよう行動していきたいです。
ポイントを「マネジメント」に絞り、チーム全体の技術向上のための行動を具体化しています。
また、結果についても具体的な成績を記載することで解像度が増しています。
このようにエピソードを絞ることで、印象を強くすることができるので、アピールポイントはとっておきの経験一つに絞り構成してみてください。
連携URL:営業職を目指す商社志望ですが、自己PR文の添削をお願いできますか?|「自己PR」の相談
3.アピールする強みは「能動性」を意識する
多くの企業が求めるのは、自ら課題を発見し解決に向け行動でき、かつ成果を上げる人材です。
すなわち「能動的に動く人物」を求めています。
そのため、アピールすべき強みは「能動性」を感じさせるものにすると、通過率が高まります。
例文を見てみましょう。
【改善前】
私の強みは、周囲の意見や指摘を素直に受け入れられることです。この強みによって、私は自身の弱点を克服することができました。
私は、大勢の前でプレゼンテーションを行う時、大きな声でハキハキと話すことが苦手でした。そのことをゼミの発表後にあるフィードバックにて、先生から指摘を受け、お腹から声を出す練習を入浴時にしてみてはというアドバイスをいただきました。
私は苦手なことを克服したいという思いから、実際に行動に移しました。ゼミの先生からはただ発声練習をするようにとだけ言われていましたが、入浴時にその日の気分に合わせて歌うという風に自身が続けやすいように工夫をしながら実践しました。
その結果、次のゼミの発表では「前より良くなった」とゼミの先生だけでなく、友人からも言われるようになりました。
貴社に入社した際も、周囲の意見や指摘を聞いて終わるのではなく、実践することで改善に努めます。
このままでは、なんだか消極的な人物で、周囲のアドバイスがなければ課題解決の行動が起こせない印象を与えてしまいます。
能動性を意識するだけで印象が大きく変わります。
【改善後】
私の強みは、課題解決のために周囲の意見や指摘を素直に取り入れることです。
私は、大勢の前でプレゼンテーションを行う時、大きな声でハキハキ話すことが苦手で、克服したいと考えていました。この課題の解決のために、ゼミの先生や友人に自分のプレゼンのどこを改善すべきか、意見を求めました。
その結果、発声の仕方に課題があることが分かり、その日から改善のための行動を始めました。
具体的には本やインターネットで発声の方法を調べ、朝と夜に1時間ずつの発声練習を3か月間毎日続けました。その他にも日常の会話で活舌を意識するなど、相手が聞き取りやすい会話を心がけました。
その結果、次のゼミの発表では周囲の評価も高く、表彰されるにいたりました。
貴社に入社した際も、私のこの強みを活かして自身の成長につなげ、貢献していきたいと思います。
同じエピソードでも「課題解決に向け自ら積極的に周囲の意見を聞く」という能動性を感じさせるニュアンスを入れると、大きく印象が変わります。
自己PRのエピソードは、自ら周囲に働きかける姿勢を感じさせるエピソードを選ぶことで、仕事で成果を出しててくれそうな印象を与えることができます。
連携URL:自己PRの文言や構成についてアドバイスをいただけますか?|「自己PR」の相談
エントリーシートの自己PRで良い印象を与えるエピソードの選び方
ここまでお読みいただいた皆さんなら、エントリーシートの自己PRでは、エピソードの選び方と伝え方が重要であることが分かると思います。
ここでは、エントリーシートの自己PRで、良い印象を与えるエピソードの選び方を考えていきましょう。
具体的には以下2つのポイントを押さえると、うまくいくようです。
1番成果を上げたエピソードを選ぶ
ガクチカとは異なるエピソードを選ぶ
詳しく見ていきましょう。
1番成果を上げたエピソードを選ぶ
自己PRに選ぶエピソードは、自分のこれまでの人生で、一番大きな成果を上げた出来事から選ぶとインパクトがあります。
成果の大きさは、影響を与えた範囲や、結果がもたらした良い変化で測るとよいでしょう。
例えば以下の例文だとどうでしょうか。
【例文】
私の強みは問題解決に向けて率先してアクションを起こせることです。
私は大学2年生のとき、新入生が様々な学科の学生5名でグループワークを行う授業のスチューデントアシスタントとして半年間務めていました。
私が新入生の時、当時この授業でアシスタントをやっていた先輩のおかげで大学生活への不安が少なくなった経験があり、自分も新入生の不安を少しでも取り除きたいと思ったことがきっかけです。
授業を進めていく中で課題を提出しておらず、授業が休みがちになり孤立していた生徒がいました。私は相談しやすい環境を作りたいと考え、授業担当の教授に相談し、教授の研究室で一緒にお昼ご飯を食べないかと提案することにしました。
趣味の話や授業の話から回数を重ねるごとに少しずつ不安なことや悩みの相談を受けるようになりました。
最終的にお昼ご飯に誘った後からは一回も授業を休まず、課題も毎回提出してくれるようになりました。
構成としてはよくまとまっており、周囲への目配りが行き届き、後輩の面倒見の良さがでている好感度の高い自己PRです。
しかし、成果の大きさという面では影響を及ぼした範囲が「5名」と、規模感において乏しい印象を受けます。
採用担当者は、成果のレベルの高さから入社後の活躍をイメージします。
できるだけ大きな変化を広範囲に及ぼしたエピソードを探してみましょう。
連携URL:IT業界のエンジニア職に向けた自己PRの添削をお願いできますか?|「自己PR」の相談
ガクチカとは異なるエピソードを選ぶ
エントリーシートを書く際に、一貫性を持たせるため各質問項目を同じテーマで書くべきか、テーマを変えるべきか迷う人もいるかもしれません。
特に「自己PR」と「ガクチカ」は、同じテーマで揃えるべきか迷うところです。
結論から言えば、必ずしもテーマを揃える必要はありません。
例文を見てみましょう。
【例文】
【ガクチカ】私は英語の勉強に力を入れました。きっかけとしては、大学1年生の三月にTOEICを受けたところ400点しか取れず、平均点よりも低い点数だったからです。この結果を受け私は自分の課題として、勉強時間が圧倒的に足りなかった点や学習環境が良くなかったことを踏まえ、勉強に取り組み易い環境を作った上で、学習時間を増やすことにしました。そこで私は、授業の空きコマを利用したり、スマホのアプリで学習時間を記録したりすることで努力を可視化し、モチベーションを維持しました。また、今まで家で行っていた勉強を大学の図書館に変えることで集中力を高めやすい環境に変えました。結果として、勉強の習慣化や自分の努力に自信が持てるようになり、2年生の最後に受験した際の点数は680点に上がっていました。この経験から私は、結果を受けて自分にはどのような課題があるのかを分析し、改善策を自分なりに考え、実行できる力が磨かれたと思います。
【自己PR】私の強みは、コミュニケーションを活かした統率力です。私は学生時代に、所属していたアジア経済論のゼミで半月毎に2回行われるグループ発表のリーダーを務めました。引き受けた理由は、中高6年間に吹奏楽部で副部長、ダンス長を務めていた経験を活かし、グループをまとめたいと考えたからです。しかし、当初はメンバー間のコミュニケーションが足らず、情報共有が少ないため発表準備が滞っていました。そこで、グループ内での情報を共有し易くするために、グループチャットに加え私が各メンバーと個別に連絡を取ることにしました。具体的には、私がメンバーの要望や発表資料を確認し、お互いの意見を交換した上で、発表を作り上げていきました。結果として、グループの一体感が生まれゼミの先生からも評価を受け、発表の成功につなげることが出来ました。この経験から、相手の立場で物事を考えながら意見をまとめ、達成する力をさらに磨くことが出来ました。
この例文ですと、ガクチカは「英語の勉強」自己PRは「ゼミ活動」ということになります。
むしろ、このように別のテーマを扱うことにより、いろんな取り組みを頑張ってきた人だというイメージを持ってもらえます。
そもそも「自己PR」と「ガクチカ」の質問から、企業が判断したいことは異なります。
自己PR応募者の強みや能力を知りたい(汎用的なスキルの有無を判断)ガクチカ過去の経験からどのような行動特性を持つのか知りたい
このように質問の目的が違うため、同じテーマで書いた場合、どうしても物足りなくなってしまいます。
大きな矛盾が生じないように、スキルや強みと行動特性に一貫性があれば、むしろ違うテーマで書くべきといえるでしょう。
連携URL:自己PRとガクチカの内容が異なるのは問題でしょうか?|「ガクチカ」の相談
エントリーシートの自己PRを書く時の注意点
エントリーシートの自己PRにおいて、エピソードの書き方を工夫することにより、良い印象が残せることはお伝えしたとおりです。
さらに、通過率をアップさせるために、注意すべき点を解説します。
具体的には以下の2点に注意しましょう。
自己PRはエピソードの鮮度が重要
主体性を感じさせるエピソードにする
自己PRはエピソードの鮮度が重要
自己PRに記載するエピソードは、大学生であればできるだけ大学時代のものが望ましいといえます。
高校時代の部活をテーマにした自己PRを見てみましょう。
【例文】
私の強みは原因を追究し粘り強く努力できることです。
高校時代にサッカー部に所属し、入学当初からレギュラーを勝ち取ることを目標に日々部活動に励むだけでなく、毎日2時間程の自主練習も続けました。
しかし、なかなかレギュラーを勝ち取ることが出来ませんでした。
そこで、レギュラーメンバーと自分を比較したときに足りない技術を分析し、また顧問の先生にアドバイスをいただいたときに、サッカーの基本であるトラップとパス技術の甘さが原因だと考えました。
そのため、トラップやパスといった基本的なことを重点的に練習し、また得意のドリブル技術の向上にも注力しました。結果として、高校1年生の11月にレギュラーを勝ち取ることができ、試合でもチームの得点に貢献できるようになりました。
この経験から、思い通りにいかない状況が続く中でも、諦めずに自分の課題を分析し、周囲の意見も取り入れながら改善策を実行する重要性を実感しました。
このように高校生の時の部活のエピソード、しかも1年生の時のエピソードなので、かなり昔のものになってしまい「今はどうなの?」と採用担当者に思われてしまいます。
高校生の部活におけるレギュラーを獲得したことからは、仕事で活躍している姿を想像しにくいものです。
よほどインパクトのあるエピソードであれば、あえて昔のエピソードを選ぶのも良いかもしれません。
しかし、その場合は他の「ガクチカ」などで、最近のエピソードを盛り込むようにしてぅださい。
連携URL:自己PRの添削をお願いしたいのですが、どのように進めれば良いですか?|「自己PR」の相談
主体性を感じさせるエピソードにする
自己PRから企業は、仕事で活躍できる汎用スキルがあるかを確認していることは、先ほどもお伝えしたとおりです。
活躍してくれそうな人物の特性として、能動的であることもお伝えしました。
企業は、自身で課題を見つけ、解決に向け主体的に動ける人材を求めています。
そのため、自己PRには主体性をアピールできる題材を選び、表現にも工夫が必要です。
改善した方が良い例を見てみましょう。
【例文】
水泳は4歳から始め、16年間続けてきました。
最初は親に勧められて始めたものの、次第に自分に合っていることを実感し、水泳は私の人生にとって欠かせないものとなりました。
特に怪我で最後の全国大会のチャンスを逃した時、その悔しさから水泳を辞めることは考えませんでした。自分のペースで練習を続け、再び水泳に取り組むことができたのは、支えてくれる家族の存在があったからです。
現在は部活動やサークルには参加していませんが、ジムで毎週8キロを泳ぎ、自己管理を徹底しています。この経験を通じて、困難に直面しても諦めずに努力し続ける力や、目標達成に向けた自己管理能力を養いました。
これらの強みを今後の仕事に活かしていきたいと考えています
一つのことを長く続けてきた継続力と、水泳で培った自己管理力がアピールされています。
しかし「最初は親に勧められて始めたものの」と「支えてくれる家族の存在があったから」の二つが書かれていることで、主体性の面ではマイナスの印象になってしまいます。
「自分の意志で始めたのではないのか」「家族の支えがないと頑張れないのか」などと、思われてしまうかもしれません。
自己PRを書き上げたら、一旦時間を置いて読みなおし、主体性がアピールできているかどうか、再確認することをおすすめします。
連携URL:水泳の経験をもとに自己PRを書いても良いでしょうか?|「ガクチカ」の相談
まとめ
エントリーシートの自己PRは、企業が何を知りたいのかを意識して書くことで、断然通過率がアップします。
エントリーシートの自己PRを読んで、採用担当者が活躍を期待できると感じるのは、成果のレベルの高さと取り組み内容の具体性です。
この2点を適切に盛り込み、具体的で分かりやすいエピソードでまとめると通過率が高まるでしょう。
合わせて企業が判断したいポイントである、以下の4点も意識してみてください。
人柄性格
自社へのマッチ度
コミュニケーションスキル
入社後に活躍できそうか
この4つが確実に伝わるエピソードを選ぶことが大切です。
企業の視点・評価ポイントを意識しながら、過去の経験を振り返りエピソードを選定し、魅力的な自己PRを書き上げましょう。
エントリーシートの書き方に悩む就活生の皆さんは、ぜひ「キャリエモン」のQ&Aを活用してみてください。
キャリエモンのQ&Aには、就活生が抱えた悩みに対するプロの視点からのアドバイスが豊富に掲載されています。
参考にすることで、今あなたが抱えている悩みが質問されていたり、いろんなQ&Aを見ることで、新たな視点が生まれるかもしれません。
キャリエモンを活用すれば、きっと企業の目に留まる、自己PRにブラッシュアップできるでしょう。
また、キャリエモンでは、就活のプロであるキャリアアドバイザーにオンラインで相談できる「キャリアサポート」も実施しています。
簡単な登録のみですぐ使え、もちろん利用料は無料。
気軽な相談から求人の紹介、選考対策のアドバイスや入社後のフォローまで、マンツーマンでサポートいたします。
もっと深く相談したい方、自分に合った求人を知りたい方、オーダーメイドのサポートを受けながら就活を進めたい方はキャリアサポートもどうぞご活用ください。

